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先日読み終わった『銀河忍法帖』、
実は改題されていて発表当時は『天の川を斬る』と
いうおおよそ忍法帖らしくないタイトルでした。
作品を読む前から、このタイトルはどういう意味が
あるんだろうと思っていました。
この一風変わった『銀河忍法帖 天の川を斬る』の
タイトルの由来は、ストーリー終盤の味方但馬の
セリフの通り、
「日本の未来にかかるはずの銀河を斬った」という
ことから、保守的な幕府が、
最新科学を持って日本の未来を豊かにしようとした
長安を斬り捨ててしまったため、
日本の発展が遅れその保守性が明治政府に受け継がれ
やがては太平洋戦争の破滅へと繋がったという意味合いの
タイトルであることが分かります。


しかし……う~~~ん、個人的には、
もっと別の意味合いがあるんじゃないかと思う。
なぜかって、「日本の未来にかかるはずの銀河」
なんて、まるで取って付けたかのような解釈だからです。
私はいつも物語を恋愛の方面へ傾けて見てしまうところがある
んですが、この『銀河忍法帖』というタイトル、ついては
『天の川を斬る』は六文銭の鉄と朱鷺を表した
言葉なんじゃないかと。


この『銀河』は佐渡が舞台。
二人が終焉を迎える恋ケ浦は、現在では
サーフィンの名所なんだそうです。
七夕にひっかけて、主役二人を織姫と牽牛に
喩えてみたいんですが、
さて、この恋ケ浦で七夕になるとお祭りが
催されているかどうかはちょっと分からない。


ところが調べてみると、
かの松尾芭蕉の『奥の細道』で、
『銀河の序』というものがあり
「荒海や佐渡に横たふ天の川」
という有名な句があります。
「天の川」は原文では「天河」です。
これは松尾芭蕉が新潟県の
出雲崎から佐渡を見て詠んだ句で、今では句碑が
出雲崎に立てられているんだそうです。
『銀河の序』の句文は次の通りで、


「ゑちごの驛出雲崎といふ處より佐渡がしまは
海上十八里とかや谷嶺のけんそくまなく
東西三十余里によこをれふしてまた初秋の
薄霧立もあへす波の音さすかに
たかゝらすたゝ手のとゝく計になむ
見わたさるけにや此しまはこかねあまたわき出て
世にめてたき嶋になむ侍るをむかし今に到りて
大罪朝敵の人々遠流の境にして
物うきしまの名に立侍れはいと冷しき心地せらるゝに
宵の月入かゝる比うみのおもてほのくらく
山のかたち雲透にみへて波の音いとゝかなしく聞え侍るに
荒海や佐渡によこたふ天河 芭蕉」


小難しいので簡単に訳すると、

「北陸道に行脚して、越後の出雲崎という所に泊まる。
かの佐渡島は海上18里。
波をへだてて東西35里に横たわり伏している。(略)

この島は黄金が多く出て、あまねく世の宝になっている。
限りなくめでたい島なのに、大罪朝敵のたぐいが
遠島させられたことで、
ただおそろしい名の聞こえもある。(略)

 日はすでに海に沈んで、月ほの暗く、銀河は天半にかかり、
星はきらきらと冴えている。沖のほうから波の音が
しばしば聞こえて、たましいを削るがごとく、
はらわたもちぎれて、そぞろに悲しくなってくる。」


ここで登場する「大罪朝敵の人々が遠島させられた」
とはつまり恋ケ浦の名前の由来となった順徳天皇のことです。
長々と説明してきましたが、つまり芭蕉の残した
「銀河の序」は黄金の島、佐渡の七夕の風景と、
恋ケ浦の順徳天皇の悲劇を語っているもので、
風太郎はこういった意味合いを含めてタイトルを
考えたのかもしれません。


芭蕉の句の「佐渡の天の川」「順徳天皇」
というキーワードから、
主役の鉄と朱鷺は牽牛と織姫であり、
「天の川を斬る」とは、牽牛と織姫を妨げる
天の川(つまり徳川)を斬る、という意味合いにも
取れるんじゃないかと。
鉄は徳川に叛いていないだろ、
と言われるかもしれませんが、最後の彼の行動は、
そうとは言い切れないやるせなさがある。
こじつけくさい考察になってしまいましたが、
たぶん真のタイトルの由来はやっぱり
長安ひいては日本未来の銀河を斬ったという意味なんでしょう。
芭蕉が詠んだ「佐渡にかかる銀河」から考えて、
長安の日本にかける栄華の大銀河を斬ったという
タイトルにも取れますから。
でも作品の季節が夏であることや、蛍がよく出てくることから
やっぱあのタイトルは主役二人のためのものだと
考えてしまうんだよお~(笑)


…ところで、「雲母鉄平」は「きらら てっぺい」と
読むんですか?それとも「うんも てっぺい」なんですか(汗)
う~ん「雲母」は「きら」とも読むらしいし
「きら てっぺい」か??
しかも、「雲母」も「鉄平」も鉱物の名前だし。
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「きらら てっぺい」だそうです(再び講談社ノベルスより) 文庫読み放題ってどんな風に表示されるんでしょう? 眼をお大事にして下さいね。読了お疲れ様でした!
とても深くて説得力あるタイトル考察に感嘆です。本当にそういう叙情的な意味も含まれていそう!
私は『銀河忍法帖』より『天の川を斬る』の方が好きですね~。忍法帖タイトルでは『魔界転生』に次ぐかっこよさだと思います♪ ラスト、「日本の未来にかかる大銀河~~」を読んで驚きのあまり叫びましたよ。風太郎って凄ぇ!!と(笑)
六文銭の台詞「拙者は~~」は私もノックダウンされました。あれは反則ですって!(惚) あ、朱鷺の最後の台詞もカッコイイ~~~!!!と思います。
はた [] EDIT 
コメントありがとうございます!!
はた様、毎回読み方について教えていただいてありがとうございます。
私最初「うんもてっぺい」と読んでました(笑)そうか、「きらら」ですか…何てこれみよがしにカッコイイ名前なんだ(笑)
携帯書籍は、メールを見る時の画面と同ような感じですよ~。専用のアプリをダウンロードすると、縦書きでルビがある状態で読めるんだそうです。
私も「天の川を斬る」の方が好きです。タイトルの由来がどうしても気になって、調べてみると意外にたくさんのことがわかって興味深かったです。「魔界転生」はそれだけで熟語になりそうないいタイトルですよね~。
六文銭はギャップ萌えが狙いのキャラなんですかね?(笑)ほんともう、「拙者」の一言で胸がトキメキましたから!(惚)
みずぐきまり [] EDIT 




    
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