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『忍びの卍』、昨日の深夜に読破しました。
噂に違わぬ傑作、もう自動的にAランク殿堂入り(笑)
マイベストの風来、忍法八犬伝の次、第3位に
ランクインです。私の大好きな忍法忠臣蔵をも
追い抜いてしまった(笑)
忍者が3人しか登場しないので他の忍法帖と比べれば
地味系かもしれませんが、この渋みがいい。


終盤まで作品の雰囲気として、暗い、暗雲立ちこめる
血しぶきの妖しい世界という印象が強かったのに対して、
ラストの何という深閑とした、清らかささえ感じる静謐さが、
それまでの淫靡な血しぶきの世界までも
一変させてしまう。


忍びとはただ「忍」の一字。
忍法帖では、こういった忍従の精神を
描いている作品も他にあるんですが、
どれも凄惨を通り越して滑稽に描かれているんですね。
忍者がゴミのように散ってゆくことで逆説的に
「人間の尊厳」を問う忍法帖において、
『忍びの卍』は個々の忍者にスポットライトを当て、
理不尽な封建社会に生きる人間の儚さを
まっすぐに表している異色作だと思いました。
これみよがしになりがちなテーマを、
さりげなく嫌みにならずに、
しかも印象深く描いているのがいい。


本作をまだお読みでない方は、もうまったく
予備知識のない状態で読むことをお勧めします。



以下はネタバレを前提に感想を書いていますので、
未読の方はご了承下さい。





みごと予想を裏切られました(笑)
あの三人が、まさかそういう役回り、使命を
帯びていたとは。……
三忍者がカッコ良くて大好きになりました。
ほんまカッコええわ、あんたら…(泣)
ラスト、刀馬のセリフに心を揺り動かされました。
闇から闇へ人知れず消えてゆく人間を掬いあげる、
名ゼリフだよまったくよお…(涙)
ラストの名シーンだけ、映像で見たい…
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はじめまして。
私もこの作品、二回ほど読んだことがあります。特に再読の時は大炊頭をすごく恐ろしく感じました。最後まで福々しい姿がまるで魔物です。忍法帖の中で一番恐ろしいのは絶対的といえる強さを持つ伊勢守や十兵衛でも、果心居士をはじめとする魔人でもなく、ましてや忍者や忍法でもなく、この人なのではないかと思ったほどでした。
乱文失礼しました。
通りすがりです。 [] EDIT 
はじめまして。コメントありがとうございます!!
山風の時代小説には、大炊頭や川路利良のような「二重底」の男がよく登場しますね。大炊頭らは常に権力者の立場であり、自分の力の及ばない所で己の運命を動かされている忍者たちは、さながら太平洋戦争における山田風太郎自身の経験が強く投影されているんだろうなと思っています。
みずぐきまり [] EDIT 
『卍』お読みになりましたか。わたしも最初期に読んだ忍法帖なので思い入れの深い作品です
でも、同時に「もっともやるせない」忍法帖のひとつでもありますね。最後の最後に意地を見せる刀馬くんですが、せめてもう少し早くふんぎってくれれば・・・同じことだったかな(笑) 

関係ないですけど先日デパートの古本市に行ったら『秘戯書争奪』を発見しました。評判を聞くとあまり読む気が起きないんですけど、それでもレアものなので一応ゲットしておきました。東京を歩き回っても見つからないものが近所でひょっこりみつかったりすると、ちょっと脱力します
SGA屋伍一 [] EDIT 
コメントいただきありがとうございます☆
『忍びの卍』は、大炊頭とも忍者ともちがって自分の意義を「割り切ることのできない」中間に位置する刀馬の存在が非常に効いていると思います。刀馬がいなければ、殺伐とした作品雰囲気のままでしたが、刀馬がそれらの「割り切った」精神を振り返るからこそ、やるせないんですよねえ。
『秘戯書争奪』はタイトルがすごいですよね(笑)
私はまだ古本で山風を見つけたことがないんですよ~、、全部新書でお金が(笑)
みずぐきまり [] EDIT 




    
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