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信玄忍法帖 信玄忍法帖
山田 風太郎 (2005/02/05)
河出書房新社

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さあまたまた偏愛編、
しかも『忠臣蔵』の次は『信玄』だぜ!!!
自分でも思うがほんと忍法帖の好みがマイナー寄りだな。
(これで『笑い陰陽師』なんて読んだ日にゃあ
またマイナー寄りになってしまうかもしれない)


実は私は、講談社文庫からの忍法帖シリーズ14冊が
選りすぐりでそれに漏れた忍法帖はマイナーつまりは
あまり面白くない、と勝手にレッテル付けしていたんですね。
(とんでもない先入観だ…)


でこの『信玄』、どこが好きかというと
何といっても武田にスパイとして潜入する
徳川忍者との情報戦。
信玄が死去したという大秘事は武田の中でも一握りの人間しか
知らないことであり、敵そして仲間を欺きながら
どう武田勝頼の時代を待つか、
というスリルある展開が面白い。


展開としては、忍者が出ては相撃って死んでゆく
(武田で死ぬのは影武者ですが)
『忍者月影抄』や『くノ一』『外道』の
ストーリー展開と同じオムニバス方式のパターン化ですが、
なぜか『信玄』はその中でも別段面白い。
それは忍者の対決が、史実の人物の人生に絡んでくるからである。
特に、坊さんと信玄像の話が秀逸
しかも、登場する史実人物達はなんとその後破滅してゆく
人物ばかりで、彼らが同じく破滅の一歩をたどる武田家を
暗示しているのがオソロシイ。


後半、武田家は外からではなく武田勝頼自身の驕慢な
プライドから内部崩壊を起こし、
一気に滅亡への坂を転がり落ちてしまいます。
いや、もうこの滅亡の坂を真っ逆さまに転がり落ちる
描写が凄いこと凄いこと。
いっそすがすがしいまでの転覆っぷりに
悪魔的な笑いが止まらなかったくらいですから。

(山田の哄笑が聞こえてきそう)
ラスト、武田家家臣が揃いも揃って裏切るわけですが、
この心理を忍法にかかったせいにしてしまうのがいい。
しかし事実、本当に忍法のせいにしてしまわなければ
説明がつかないような、解明不可能の心理の逆転が
人間に実際に起こるんだから面白い。


各エピソードも、今昔物語集が元ネタでお伽話ぽかったり
山風伝説の風呂場事件からの発想の忍法だったり、
奇妙キテレツな忍法が多くてその点でもお気に入り♪


武田家の猿飛と霧隠と真田、
そのうち猿飛と真田ばっか活躍して
霧隠の存在感超薄いんですが(汗)、
彼らが主人公というより武田家そのものが今回の主役
なので不満を抱くことなく面白い。


上記した通り、『信玄』とパターンのよく似た作品で
『月影抄』があるんですが、
実は私はこの作品について忍法帖の中でも
かなり評価が低く、それは今度の機会に
『信玄』と比較して書こうと思います。
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