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魔界転生(上)―山田風太郎忍法帖〈6〉 魔界転生(上)―山田風太郎忍法帖〈6〉
山田 風太郎 (1999/04)
講談社

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最近では舞台化の方も進んでいる、
人気の劣えを知らない『魔界転生』です。
んが、実は個人的にはあまり好きな作品じゃなかったり…


それと言うのも、今作では忍法「魔界転生」という
何でもアリのスーパー忍法が登場するので、
風太郎自身が忍法帖の制約のうちの一つ、史実に対する絶対的な整合性を
かなり強めているために、いわゆる「縛り」が強いために、
自由奔放なはずのストーリーがこじんまりして見えるんですよ。
そしてお話の中での「ゲームのルール」も、
かなり複雑なものになっています。


別にもう史実を無視して十兵衛と武蔵が江戸城天守閣で対決しても
いいじゃないかとか、(でも史実を無視すると忍法帖じゃないし、
そして巌流島じゃないと意味ないんだけどさ)
個人的には風太郎は長ければ長いほど面白いんだから、
もっともっと長くして欲しかったという気持ちもあります。
荒木又右衛門の扱いなんてヒドイよ、一人だけ転生する過程も描かれてないし
あれだけ強そうなのにアッサリだ…


ストーリー的には、宝蔵院胤舜との対決と、
父・但馬守との対決がお気に入り。
但馬守とのエピソードなんて、正直涙が出そうに(汗)


で、実はマイ忍法帖ベストシーンのぶっちぎり第一位が、
この『魔界転生』の小屋小三郎の死ぬ場面。
あの菊の花が顔に投げてあるシーン、
しかもそうしたのがまだ幼い子供の弥太郎の仕業ということが、
何ともいえない静かな、無垢なものを感じてジーンときてしまう。
この花を手向けるのが、十兵衛のような大人がやると
キザで意味がないんですよ。
まだ生と死をよく理解していない子供の、
きまぐれの行動に深い鎮魂の意味がある。
このシーンを読むたびに、ページをめくる手が止まってしまいます。
忍法帖て作者が意図して多く人が死ぬので
命の軽さが目立つんですが、だからこそ余計に感動。
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