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いきなりだけど断言したい。
山田風太郎はもの凄いフェミニストだ。
そんなことファンにとっちゃ常識なんだけども
あえて主張したい。


なんでこんな話題を持ち出したのかというと、
忍法帖といえば凄惨なシーンが多く、
とくに女性が酷い扱いを受けるシーン等を読んで
忍法帖は女性は嫌悪感を抱くかもしれないだとか、
女は読むもんじゃないだとか
山田は女を軽蔑しているなんて言う人がいるが、
そりゃとんでもないことだ。
小説を表面上の表現で判断している証拠である。
私は女が男に暴力されるシーンを読むより、
男社会を美化して男の美学で女を振り回す小説の方が
よっぽど頭にくる。


そこで『くノ一忍法帖』を挙げよう。
忍法帖でも一、二を争うくらい女性が酷い目に会う『くノ一忍法帖』は、
実は女性から熱狂的な支持を受けている。
私もこの作品は女性のバイブル的存在だと思う。


なぜなのか?
それは男に陵辱される側の女が、
性的な忍法で男に反撃するからである。
男忍者に手込めにされたくノ一が、死に際に忍法「天女貝」を
使って一矢報いるシーンは、女として拍手喝采せずにはいられない。
これってものすごいことだ。
痴漢に遭ったことのある女性はその時自分が何も反抗できない悔しさを
体験すると思うけど、この『くノ一忍法帖』の女たちは、
男の暴力に自分達の肉体の強さで勝とうとするのである。


女が肉体的な強さでかなわないからこそ
ジェンダーフリーが強く叫ばれているんだけども、
風太郎は「女は肉体的に男より弱い」という理論を
根底から覆しているのだ。
山田風太郎は女を男より上に見るフェミニズムではなく、
女と男を同等の線に置くフェミニズムなのである。


『くノ一』を読んで女を子供を産む道具として扱ってるなんて意見があるけど
何を言ってるの、女は逆に子供が産める事を最大の武器にするじゃないか。


そして登場する忍法においても、
くノ一の使う忍法は得てして殺傷能力が高く
相手が腎虚になってしまうような、
つまり男性機能を失ってしまう忍法が多いのに比べて、
男忍者の使う下ネタ忍法は、
せいぜい女を虜にしてスパイにしてしまう程度しか無い。
代表的なのが『忍法八犬伝』の「袈裟御前」と「忍法影武者」。


私は風太郎の女性観は割と好きで、
女は聖女か悪女かという二面性にとらわれている点はあるけれど、
それは男にって女はよくわからん、永遠の謎みたいなことが
言われるから仕方ないでしょ。
で、逆に私は女性作家の描く女って
嫌いなんですよ。とにかく生々しい。
自分が女だから余計に、女のネチこさ、冷めた視線と自意識過剰の
入り交じった女の感情がウンザリするほどよく理解できる。
そういう現実の女は自分が味わっててもう十分だから、
男性作家のドリーム入った女性像を見ている方がよっぽどいい。


上記した通り、山田は「女卑」でもなければ、実は「男尊」でもない。
というより、個人的には山田は男を常に百八つの煩悩に悩まされているような
卑小な存在として描いているようにいつも感じてしまう。
本音を言えば、山田は男をバカにし過ぎているとも思う。
だって、でなかったら男性の象徴を生殖器と排泄器が同居する愚の骨頂なんて
言わないでしょふつう(笑)
私は女だから他人事だけど、もし男ならあまりの皮肉に風太郎は
読んでいないかもしれない。


この辺の山田の男性の「穴一つ」論は、男性の側から読んで
どうなんだろーか。
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SKIN:Babyish-
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